鉄と聞くと貧血をイメージする方も多いと思いますが、免疫機能に関わることから、歯科では歯肉の治癒にも効果的であるといわれています。今回は鉄についてご紹介します。
鉄が不足するとどうなるの?
鉄はミネラルの一種であり、全身に酸素を運ぶ働きを持つヘモグロビンを作る材料となります。また、判断力や睡眠などの脳の神経に行き渡らず、体のさまざまな細胞で酸素不足になります。鉄の不足によって鉄欠乏性貧血となり、全身の倦怠感や頭痛、耳障り、めまい、息切れなどの症状を引き起こします。
2種類の鉄
鉄を多く含む食材として思い浮かべる方は多いかもしれませんが、実はレバーの他にも鉄を多く含む食材はたくさんあります。鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、下の図のにそれぞれ鉄の代表的な食材と特徴をまとめました。

また、非ヘム鉄は野菜や海藻、大豆製品に含まれ、ヘム鉄に比べ吸収率が低いです。そのため、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が上がり、効率よく摂取できます。
ビタミンCを多く含む食材
ピーマン、ブロッコリー、いも類、レモン、ゆず、柿など
ビタミンC以外にも肉や魚、牛乳などの動物性食品を組み合わせることで非ヘム鉄による鉄の吸収率を高めることができます。
一方で、インスタント食品やハム、ソーセージなどの加工肉、スナック菓子などの摂りすぎは鉄の吸収を悪くしてしまうため、摂りすぎには注意しましょう。
歯周病と鉄について
鉄はコラーゲンの生成、免疫機能にも関与しているので、歯周病の予防や治療には欠かせないミネラルです。治癒のためのエネルギー産生にも重要な役割があり、歯肉の悩みを改善させるためには食事の見直しも大切です。鉄不足は免疫力を低下させ、歯肉の質も弱くしてしまい歯周病になりやすくなります。鉄不足を予防することは歯を守ることに繋がります。

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